医学部面接 必ず聞かれる質問とその回答例

はじめに

医学部入試において、国内の82大学すべてで必ず面接試験が課されます。

この面接試験は、実際受けてみればすんなり終わることも多いのですが、筆記試験と同様に対策はしっかりしていった方は良いのは間違いないでしょう。

とは言うものの、実際どういう準備をしていけば良いか、そもそもどういうところを見られる試験かというのは分かりづらい部分があるので、この記事で簡単にでもどういう試験なのかその雰囲気をつかんでもらえたら嬉しいです。

どの医学部面接でも必ず聞かれる質問というのは存在していて、例えば「なぜ医師になりたいと思ったのか」「なぜうちの大学にしたのか」「人と働けるか」辺りは聞き方はどうであれ必ず聞かれます。
面接官も医師ないし医学部の先生である以上、受験生の答えの字面だけ聞いているわけではなくて、受験生の返事の内容や、話し方などから、話している受験生本人の本質を観ようとしてきます。
したがって、本当に効果的な対策がしたければ、返事だけ練って行く以上に、面接官の先生がその質問を通じて何を見ようとしてくるのかを本質的に理解していくことが大事になってきます。

結局、聞き方はどうであれ、医学部の先生はその受験生が「入学後に勉強してくれそうか」「医師として人と働けそうか」「6 年後に患者さんの前に出して問題ない医師になってくれそうか」を見てきます。
就職活動をしている大学 4 年生や大人でさえ、職業選択には悩むものなのに、高校生の段階で医師になる決意をして働く覚悟を決めろというのがそもそも無理のある話なので、高校生の今の時点で思うことを話せばそれで良いわけです。

正直 10 分やそこらの高校生を相手にした面接で、医師と言えど分かることは知れているので、面接で厳しく見られるのは、そもそも多浪生(大学受験程度の内容を多くの年数だらだらと勉強している人が医学部の勉強に留年せず付いていけると思われないため)と、高校で遅刻・欠席の多い人(医学部は何日か欠席したら即留年という授業も多いので、高校の時点で欠席癖のある人は先生も心配する)などが中心で、問題ない高校生であれば和やかに 10 分くらい色々話して終わり、という感じかと思います。


そもそも論として、基本的にはどこの大学でも筆記試験の点数の順に合格してくれれば良いのですが、特に国公立大学は、医学部は「多額の税金で運営される医師国家試験受験前の準備機関」としての位置付けであるので、例えば 6 年間通って、本人が適性の面でそもそも医師に向いていないとか、医師国家試験の欠格事由(医師法 3,4 条を参照)に入試の時点で該当していてそもそも医師になれる見込みがないとかでは、本人にも大学にも税金を払っている国民にとっても良いことではないため、そういう人を前もって面接で落とすという感じです。

逆に言うとそれだけのことで、入学後に前向きに勉強しそうで、6 年後に患者さんの前に出して問題ない医師になってくれるだろうと判断されれば全く問題なく終わります。

色々話して少しどうかなと思っても、再面接に回されるだけで、再面接になっても問題ないと判断されれば普通に大丈夫です(再面接は試験官の人数が増え、時間も長くなることが通常。それだけ慎重に見てくれているということです)。

では見ていきましょう。

目次

必ず聞かれる質問

医師になろうと思った理由を教えてください。


【良くない回答例】
親が医者だからです。

→ 親が医師だと、本人も医師がどういう仕事か分かっていることが多いので、医師として働く覚悟が出来ているのだろうと面接官の先生は思います。だからこれを言うのは問題ないのですが、仕事をよく知っていることと、自分がなりたいと思うというのは違うので、自分がなぜなりたいと思うのかを答えるようにすると、その主体性を評価してもらえるほか、自分で課題意識を持って勉強に取り組んでくれそうだと思ってもらえて高評価でしょう。

【一つの回答例】
自分の専門性をもとに目の前の人に直接手を差し伸べることができる職業に魅力を感じたからです。もともと人と接するのが好きで、人を助けるという誰も反対しない共通の目的のために様々な職種の人と連携して働く点が自分に合っていると思い、志望しました。

→ 医師は、様々な専門性を持つ多職種の人と連携して患者さんに対処するわけなので、それが好きで目指しますならバッチリでしょう。

【一つの回答例】
高校で理科を学習して、大学でもその勉強、研究を続け、社会の利益のために還元できるようになりたいと思ったからです。人を助けるという普遍的な目的のために尽力していけるという点で医学は最も自分に合っていると思い、志望しました。

→ これも OK。

うちの大学を志望した理由を教えてください。


【良くない例】
共通テストで失敗したがどうしても現役で入りたかったからです/正直特に深い理由はありません

→ 答え方はどうにしても、要するに深い理由はないのですがここにしましたという調子で答えてしまう人がマジでいるのですが、勿論 NG です。その大学は共通テストで失敗したからとか配点と問題の相性が良いからとかが受験を考えた最初のきっかけだったにしても、何かしら大学でやりたいことがあるわけなので、以下の回答例を参考にでも将来のなりたい像とやりたいことを答えられるようにしておきましょう。面接官はこの質問を通じて、将来どうなりたいか、大学で何をしたいかという主体性と目的意識を聞いています。

【大都市近辺の学校の場合】
将来、臨床医として様々な疾患に適切に対処するべく、自分の専門分野に関する専門性を深めていきたいと思っていて、そのために若い段階から多くの症例を経験することが必要だと思っています。~地域において関連病院も含めた多くの症例に対処する先生のもとで直接学んでいく中で、学生の段階から多くの症例について深く学ぶことができる点に魅力を感じ志望しました。

→ 大都市は人口が多い分、若い段階から多くの症例を経験できるのが魅力です。先生も医師として専門医として日々多くの症例をこなす中で幅広い疾患に対処している訳で、そういう先生のもとで自分の専門分野を深める経験を多く積んでいくことができる点が魅力でしょう。

【過疎地域の大学の場合】
将来、幅広い疾患に一次的に対応できる医師になりたいと思っていて、そのために医学部では特定の疾患に関する専門性のほか、救急救命や、総合診療医として様々な状況の患者さんに幅広く対応する視点を学んでいきたいと思っています。~大学は人口の少ない~地域において、専門医と同様に地域医療の担い手として総合診療医の育成、教育に力を入れている点に魅力を感じて志望しました。


→ 地方大は総合診療医の育成に力を入れているところが多いので、例えば医師になりたい理由として、「直接人に手を差し伸べる仕事に魅力を感じたため」など答えたのであれば、上の回答はそれとリンクしていると言えるでしょう。

【旧帝大など研究に力を入れている大学の場合】
将来、学部での基礎的な医学の勉強の後、癌の研究をしたいと思っています。○○大学は研究予算や設備の点で恵まれているとともに、優秀な同級生と切磋琢磨して研究者として研鑽できる環境に魅力を感じて志望しました。


→ これも医師になりたい理由とリンクして答えられると良く、例えば「高校までの数学理科の学習を通じて、大学で研究を進めて社会に還元できるようになりたい」など話しているのであれば、こういう理由で良いでしょう。
逆に、医師になりたい理由として、「直接人に手を差し伸べる仕事に魅力を感じたため」など答えたのであれば、上の回答だと考えがまとまっていない印象を受けます。旧帝大などを受けるにしても、臨床医としての仕事に魅力を感じるのであれば、それとリンクした内容を答えるようにすると良いでしょう。

(地方の大学の場合特に) 卒業後にうちの地域に残ってくれますか。


【良くない例】
(根拠もないのに) はい、残ります/(残る気が無いとして正直に) いえ、残る気は全くありません


→ 地方などで、医師が足りていない地域の場合、残ってくれる医師は地域枠で確保するようにしています。だから一般受験の受験生は、残ってくれれば嬉しいけど、残ってくれなくても何とでもなる人達という扱いです。はいともいいえとも今の段階で何とも言いようのない質問を今の時点で聞いてくるなという感じもしますが、どちらにしても根拠の薄いことはあまり言わない方が良いです。もちろん自分の中で根拠があって決めているのであればそれで答えれば良いです。

【一つの回答例】
大学で医学の専門教育を受けていく中で考えていきたいと思っています。具体的にどこで働くかより、誰と、どういう人と働くかが大事かと思うので、医学の勉強を進めていく中で、この人の下で勉強したい、またはこの人と働きたいと思える人と出会っていく中で決めていきたいと思います。


→ 若干玉虫色の回答ですが、実際こうとしか言いようがない所ではあります。今の段階で、例えば、共通テストが良かったから徳島大学を受けるけど、徳島には縁もゆかりもないから将来は正直東京に帰って医者をやりたいな~という場合でも、徳島で 6 年間そこの先生や地域の人と過ごすうちに、住めば都で東京には帰りたくない、せめて大阪辺りで働こうとなるケースなどは十分考えられます。大学としてはその地域に医師が欲しいにしても、今の時点で何とも答えようがないなら、これから決めていきますで十分でしょう。

(部活や学校行事等で)人と何かを成し遂げようとする時、どのようなことに気を付けていますか。


【一つの回答例】
周りも自分の能力を発揮できるよう、周りを尊重して丁寧に接することで、それぞれの能力を引き出してくれるよう配慮するようにしています。


→ 極論、人と何かをするということに問題が無ければOK。医者は現場で様々な職種の人と協働する中でリーダーシップを取ることが求められるので、何かの代表をやった経験が少しでもあるなら、その経験をもとに話しても良いでしょう。

【良くない回答例】
私はリーダーとして、部下に成果を出させるよう指示を出し、私の考え方に必ず従わせるようにして成果を出させます。


→ まず立場に上下があると思っているのがダメ。医学部面接において、他職種の人(看護師、MSW、栄養士など)を医師より下の立場だと思っている発言は NG です。実際そんなことありません。医療現場においてそれぞれ担当する役割が違うというだけで、医師はリーダーシップを取ることは求められますがそれは対等な関係においてです。人の言うことを聞かず、自分の考えでしか動けないのもダメ。そういう人は多職種連携できません。自分の役割を果たしつつ他者を尊重、当たり前のことですがこれが出来ない、ないし教育しても出来なさそうな人は最悪それで落ちます。

まとめ


必ず聞かれる質問はこれくらいではないでしょうか。面接も多くの受験生を 1 日で終わらせないといけないので、大体国公立は一人 10 分で、それ以上やる場合は再面接です。この辺りを問題なく答えられれば、合格/不合格にするだけの面接であれば問題なく終わり、面接に点数が付く場合でも、多浪や遅刻・欠席の多い人に低い点数を付けるだけということが多いので、問題なく受け答えできる現役高校生であれば問題なく高得点で終わるかと思います。

医学部受ける人の何らかの参考になれば嬉しいです。

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